短歌
For You

「へこたれていじけた子になっちゃだめよ」(志村貴子『放浪息子』) ぼくの夢は夢を言いよどまないこと窓いっぱいにマニキュアを塗る 逃げきった鳥が青だよ 周到に荊を踏んでちかづくまでだ 通学は放浪だからどうしてもパフスリーブ […]

続きを読む
エッセイ
短歌を始めたころ(1)

「そっか、じゃあ今は君がシリウスを吹いているんだね」とK先輩は言った。 二〇〇四年の十二月、奈良は斑鳩でのことだった。寒々しい田んぼの間を並んで歩きながら、噂にだけ聞いていた同じ担当楽器のOGと、初めて会ってそんな話をし […]

続きを読む
短歌
2021年の自選5首

うつくしくかなしくめぐる季節とか夢とかおすし手からはなれて 「路銀と借景」/「弦」54号   * 夜のみぎ夜のひだりへ街灯は光を分かつ双葉のように 「ゆめかようみち」/「歌壇」4月号   * 海に架かる橋はたてごとその弦 […]

続きを読む