小説

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さよなら夏の光

 これはわたしの、夏の光の記録である。  あやさんは呼吸するように本を読む人だった。背筋をまっすぐに伸ばして、口の高さまで本を掲げ、ぴたっと静止させて、読む。その姿を図書室のカウンター越しにはじめて見たときから、おもえば […]

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