裏・TOKYO2020 ―みづな and アキ『約束のあとさき』書評
2024年6月6日
『約束のあとさき』の著者は「みづな and あき」、すなわち喜多昭夫と森尾みづなの共作による歌集である。本書のゲラを読んだ際は、一人が一首を作って返歌をつなげていく方式だと思って読んだのだが、あとがきによると、著者二人 […]
『はるかカーテンコールまで』初出と蛇足の紙
2024年2月24日
※歌集の出版から約1年後の2020年10月18日に、収録作の初出一覧と短めのコメントをA4用紙2枚にまとめた紙です。 当初はネットプリントで配信しましたが、アーカイブとしてサイトで見られるように収録します。 Conten […]
2023年の自選5首
2024年2月24日
台風があした来る日に通りから声かけて買うちいさなブーケ 「可能世界のちいさなブーケ」/「Sister On a Water」vol.5 * においから桜はひらきこの星にいつか途絶える観測史あり ウィルスの屋形船なる人の身 […]
2022年の自選5首
2024年2月24日
失った名前は肺のかたすみに霜を置くから何度も呼んだ 「愛から醒めて」/「短歌研究」4月号 * きみといるといつもかもめが背景を奥へゆく なぜかな さよなら あかねさすオランジェットは見ていないときに満ち欠けする贈り物 […]
見えるものと消えないもの(土岐友浩『僕は行くよ』書評)
2023年11月12日
本書において土岐は歩き、眺め、また歩く。目の前のものを精確に描写する一方で、自己と世界について思索する。2DのRPGをプレイするとき、マップを歩く主人公を見下ろす視点が、敵との遭遇エンカウント時には主観に切り替わる、そ […]
記憶と時間とふたたびくらげ
2023年11月12日
しかし、写真の解読のコードを一応身につけているわれわれでも、例えば星座図を見る場合は、隣接する二つの星が実は地球からの距離が気の遠くなるほどたがいに異なるといったことは、ふつう考えてもみない。宇宙空間を駆けめぐっている […]