鑑賞・評論

鑑賞・評論
裏・TOKYO2020 ―みづな and アキ『約束のあとさき』書評

 『約束のあとさき』の著者は「みづな and あき」、すなわち喜多昭夫と森尾みづなの共作による歌集である。本書のゲラを読んだ際は、一人が一首を作って返歌をつなげていく方式だと思って読んだのだが、あとがきによると、著者二人 […]

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鑑賞・評論
見えるものと消えないもの(土岐友浩『僕は行くよ』書評)

 本書において土岐は歩き、眺め、また歩く。目の前のものを精確に描写する一方で、自己と世界について思索する。2DのRPGをプレイするとき、マップを歩く主人公を見下ろす視点が、敵との遭遇エンカウント時には主観に切り替わる、そ […]

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エッセイ
関係性という幽霊、信仰という疼き ――新井煮干し子『渾名をくれ』に寄せて

 さいきん思うのだけれど、「関係性」って幽霊みたいなものだ。読者として作中の2人(以上)について、たとえば「お互いすぐ憎まれ口叩くけどラブラブ」とか思ったとしても、それって外側から、あるいは上空から観察して作り上げた解釈 […]

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鑑賞・評論
歌の声、「私」の地平

『島田修二歌集』(国文社)をひさしぶりに開いた。たとえば次のような歌に、あらためて心を動かされる。 もの書きて畢るにあらぬこれの世の浄福に似てとほき夕映『冬音』 雨降れば甕にしづけく水溜るこの確かさに生きたきものを『渚の […]

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